子供の不登校で悩む親御さんからご相談いただくケースは一定数ありますが、子供にどう接したらいいのかわからず右往左往されている方がほとんどです。
たしかに自分の子供が不登校になって動揺するのは当たり前だと思います。
ただ、それを前面に出して何とかしようと子供に接するのは違います。
調べればいくらでも不登校の子供に「こう接したらいいよ」というマニュアルは出てきますから、それに基づいて対応すれば親御さんにとっては安心かもしれません。
しかし、それは親御さんにとっての話です。
不登校の解決は「子供にとってどうなのか」にどれだけ意識を向けていけるかがポイントになります。
不登校の子供に対する親の基本姿勢
子供の気持ちをそのまま受け止める
大切なのは親が子供の気持ちをしっかり受け止めることです。
たとえ、「もう生きている意味がない」というネガティブな言葉が出てきたとしても、今はそういう気持ちになっているんだなと受け止めてあげる。
今回取材した親たちは、「ダメ」な状態の子供を必要以上に叱ったり、干渉したりせず、ありのまま受け止めた。だから、ただでさえ落ち込んでいる子供のエネルギーを余計に削ぐような失敗はしなかった。
引用元:不登校児を東大に合格させた親のスゴい声かけ つまづいた子供を潰す親、伸ばす親 | PRESIDENT Online
不登校によってエネルギーを蓄積しようとしている子供の妨げにならないためにも大切なことです。
親が自分の気持ちを安定させる
親自身の感情が不安定なままでは子供も安心して気持ちを表現することができません。
ネガティブな発言をかき消されたり、動揺して右往左往している親に話したいとは思えないですよね。
親がどっしり構えて子供を信頼できる状態になっていれば、子供は自然と親に話したいと思います。
本音をぶつけても大丈夫だなと感じ取るのです。
まずは親自身が気持ちを安定させることが大事なので、カウンセリングを受けて抱えている思いを言葉にしてください。
親にできる不登校の子供への働きかけ
子供なりに考えていること思っていることは何かを想像する
親からすればまだまだ子供だからという感覚かもしれませんが、思春期にもなれば子供は子供でいろいろと考えています。
とくに親に対して抱く感情は複雑です。
親に対して本当は嫌な気持ちがあったり、イライラすることがあっても、自分のためにこんなにしてくれている親にそんな気持ちを持っちゃいけない。
過去のことなんていまさら言ってもムダだ等と複雑に考えて素直に本音が出せなくなる。
親からすれば「そんなこと気にしなくていいのに」と思うようなことでも、子供にとってみればどうしても気になることだったりもします。
「現時点で子供がどういう思いを抱いているか?」だけでなく、不登校になった当初、なる前、今までの親子関係を振り返ってみてください。
学校での生活もある程度想像できるのであれば、学校でどういう思いをしていたかを考えましょう。
なかなか難しいのですが、子供の感覚で、子供の目線で考えることが必要です。
結果ではなく過程を評価する
親としてはどうしても結果に意識が向きがちで、学校に行けたら○、学校に行けなかったら×といった形で評価します。
結果として何かができればいいけど、できなければダメになってしまう。
しかし、子供からすれば行けなかったとしても、何かができなかったとしても自分なりに努力していることがある。
結果に結びつかない頑張りも結構あるのです。
「結果」に注目すると、子供を叱って、発破をかけたくなることが増えてしまう。しかし、「努力の過程」に着目すれば、何かしら認めてやれることがあるはずだ。
引用元:不登校児を東大に合格させた親のスゴい声かけ つまづいた子供を潰す親、伸ばす親 | PRESIDENT Online
ほんの些細なことかもしれませんが、結果を生み出すためにはその些細なことの積み重ねが大切。
子供自身も学校に行けていない自分、つまり、結果ばかり見ています。
親がその目線を過程に変えてあげることで、子供が「今の自分でもいいんだ」と自己肯定しやすくなるのです。
子供の不登校を解決していくために
「自分の接し方が間違っていたんじゃないか」「自分の子育てが間違っていたんじゃないか」「どう接するのが正解なんだろう」と悩む親と、「学校に行けない自分はダメ人間だ」「親の期待に応えられない自分はダメだ」と自分を責める子供。
このジレンマを解いていくために親ができる一番大切なことは、子供の気持ちをできるだけ理解しようと努めて見守ること。
見守るというのは何もせず放置することではありません。
必要に応じて言うべきことは言う、子供が抱えきれない衝動を抱えていたら壁になる。
親が「学校に行かなければならない」という義務感を手放したら子供が学校に行きだしたケースもあります。
不登校になって悩んでいる子供が親にどういう接し方をしてもらえたら安心できるか、ちゃんと考えられる状態になるために親自身も成長することが必要なのです。