夫の風俗通いがいつまで経っても許せず、ショック状態のまま苦しみ続けている方は少なくありません。
頭では大丈夫と思っても、信用すればまた裏切られるかもしれないと思うと信用できないし許せない。
いつまでも夫を責め続ける自分がどんどん嫌になり、気持ちが不安定になってまた責めてしまう悪循環に陥っています。
夫の風俗通いを許せない、ショックから立ち直れない理由
夫のことがよくわからない
今まで誠実な人だと思っていたのが、実は平気で家族を裏切ることができる人だった。
もともと家族のことを考えない浮気性な人だったなら、風俗に行っても「まあ、そうだよな」と納得できる。
でも、全然そういう気配がなく、急に別人のような側面が表れたとき、理解不能になってしまうわけです。
誠実さが良いと思って結婚したのであれば詐欺にでもあったような気持ちになると思います。
自分への愛情があったのかどうかすらよくわからない…何を信じればいいかわからない…
夫のことがよくわからない、理解できないことが苦しみにつながっているのです。
風俗通いがバレて妻からやめないと離婚するとまで言われても、泣き崩れられても、激怒されてもまた風俗に行ってしまう。なぜバレてもまた風俗に通ってしまうのでしょうか?
また風俗に行くのではという不安が強い
自分が許してしまったら、何も言わなくなったら、またこの人は風俗に行くんじゃないか。
そう思うと考えたくなくても考えてしまってつらくなる。
夫の利用していた風俗店のサイトを見たり、過去のメッセージのやり取りを見たり…
なるべく一人での外出を控えてもらい、GPSで確認できる状態にしても安心はできない。
毎日のように確認する生活を繰り返す中で、夫を監視しているような状態の自分が嫌になってくる。
夫が風俗通いを繰り返してしまうことへの不安が強いから苦しいのです。
自分を責めている
セックスレスではないし、夫婦関係に大きな問題はなかったはず。
普通に会話があって家事の分担はできている。子供のことについても相談し合って決めてきた。
でも、夫が風俗に通っていたという事実がある以上、何かが悪かったとしか考えられません。
夫に問題があったのは当然として、もしかすると自分にも非があったのかもしれない。
自分には女性としての魅力がなかったのか、夫を満足させることができていなかったのか、夫にストレスを与えてしまっていたのか…
夫の風俗通いの原因が自分にもあったのではないかと思うことが苦しみにつながっているのです。
夫に変化が見られない
あれだけのことがあったのになぜか何事もなかったかのように生活をしている夫。
普通の感覚なら必死に変わろうとする姿が見えるはずなのに…
何度か強く言ってやり始めたのは家事。
言われたことはやっても自発的に何かをしようとする様子は見られない。
今までより頑張っていることはわかるものの、妻の気持ちを考えようとしない夫を見ていて気持ちが収まることはないのです。
実際に変わっていたとしても、許せない気持ちが強い場合は変わっている事実を認められないことがあります。
自分の気持ちが蔑ろにされ続けている
気持ちが不安定になってぶつけてもただ聞いたことに答えるだけ。
何度も聞くと明らかに嫌そうな態度を取ってくる。
都合が悪くなるとだんまりを決め込んで収まるのを待っているようにしか見えない。
そんな夫にいくら自分の気持ちをわかってもらおうとしても暖簾に腕押し状態です。
夫の風俗通い発覚で深く傷付いた気持ちを受け止めてもらえることがなく、夫を責め続ける自分はどうなのかと考え、責めないようにと自分の気持ちを抑え込む。
傷付いた自分の気持ちが蔑ろにされる状態になっているから整理がつかないのです。
夫の風俗通い発覚前から抱えていた問題があるかもしれない
アタッチメントタイプの問題
お互いのアタッチメント(愛着)タイプが影響している可能性があります。
妻がしんどい状態になりやすいのは「夫-回避型、妻-不安型」の組み合わせです。
回避型は一人の時間が欲しい、自由でいたい。不安型はいつも一緒にいたい、かまって欲しい。
今までは図らずとも夫にとって都合の良い距離がある関係で妻の不安を刺激することがなかった。妻は妻で仕事や趣味、子供、交友関係等、夫以外の対象に目が向いてバランスが取れていた。
しかし、風俗通い発覚という問題が妻を不安にさせてしまい、夫婦の距離感が詰まることで一気に関係がギクシャクし始めます。
自分や子供への影響を考えると不安で別れるという選択ができず、今の関係を続けるしかないと思う。
だから、何とか修復しようと夫に働きかけるのですが、回避型の夫は妻に怒られることや離婚を切り出されることを恐れて当たり障りのない回答で誤魔化す、嘘をつく。
向き合ってもらえないことでさらに不安が募り、夫への執着が強まることによって夫の回避が強化されてしまう。
アタッチメントタイプが引き起こす悪循環によってしんどい状態になっているかもしれないのです。
幼少期に抱えた愛着の問題はその後の人生に大きな影響を与え続けるものです。 愛着障害の分類、愛着スタイル、克服方法とカウンセリングについてお伝えしています。
カサンドラ症候群
夫の風俗通い発覚は引き金でしかなく、今までの夫婦関係で蓄積されてきたものが一気に表面化してつらい状態に陥ってしまうことがあります。
風俗通いをしてしまう夫は共感性に問題を抱えていることが多く、情緒の交流がない夫婦生活を送ってきていた可能性が高いからです。
発達障害等で情緒がわからない夫との関係に悩み、心身に不調をきたす状態は「カサンドラ症候群」と呼ばれています。
世間一般から見れば普通の夫。でも、情緒の交流が図れないという致命的な問題を抱えている。
基本的に受け身で妻の気持ちを汲み取って何かをしてくれることはなく、自分の世界に入り込んでやりたいことをやっているだけ。
形式上は夫であり家族であるものの、実態は他人のような状態になっています。
一般的に想像しづらい状況であるため、身近な人に相談してもなかなかわかってもらえず、自分がおかしいのかと思うようになって苦しむことが多いです。
今まで家庭を成り立たせるために孤軍奮闘してきた結果が夫の風俗通いという裏切り行為。
自分の頑張りは何だったのか、なぜ自分は夫の風俗通いを止めることができなかったのか…
頑張ってきた期間が長ければ長いほど許せない気持ちは大きくなり、結果として気持ちが収まらない状態が続いているのです。
夫の風俗通い発覚による苦しみから抜け出すために
夫を許そうとする必要はない
夫の風俗通いが発覚しても経済的な事情、子供がいること等で離婚という選択ができないケースは多いです。
また、夫婦として一緒に過ごしてきた時間が長い場合は、何かしらの情があって別れることが難しかったりします。
周りに相談できない人がほとんどですが、できたとしても「すぐ離婚したほうがいい」と言われたり、逆に「浮気じゃないんだし許してあげたら」と言われたりする。
何事もなかったかのように生活している夫を見て、私が許して元通りの生活をすれば丸く収まるのにと思い、許せない自分を責めてしまうこともあります。
しかし、夫婦の関係性に問題が生じている以上、許せないから離婚する、離婚しないから許すという単純な話で収まるものではないのです。
「夫を許したくない」気持ちと向き合う
「夫を許したいけど許せない」という気持ちの裏には「夫を許したくない」気持ちが強くあります。
風俗通い発覚で深く傷つけられた以上、夫を許したくないと思うのは当然です。
「なぜ夫を許せないのだろう」ではなく「私は夫を許したくないんだ」と自分の本音を受け止めるようにしてみてください。
そして、許したくないと思うほど傷付いた気持ちに目を向けていきましょう。
傷付いた気持ちを自分が受け止めることで楽になるところがありますので、思いのまま紙に書きなぐっていただくことをお勧めします。
夫のことを知る
妻、家族のことを大切に思う気持ちが本当にあればそもそも風俗通いはできません。
だから、問題が表面化したからと言って急激に変わるはずがないのです。
それでも変わって欲しい気持ちが先行し、変わってくれないことに不満を抱えてしまうところがあります。
結果として夫を許せない気持ちが強くなるのです。
夫のことを知ることができれば、全てが全て妻、家族を蔑ろにするつもりではなかったこと、妻への愛情がなかったわけではないこと、本人なりに自分を変えようとしていること等がわかってきます。
ただ、夫婦で話し合いをすると、どうしても感情が先だって夫を知ろうとする気にならず、知ろうとしても夫が上手く説明できないケースがほとんどであるため、ご夫婦でカウンセリングを受けていただくのが良いと思っています。
夫以外のことに目を向ける
夫が許せない状態というのは夫に執着している状態でもあります。
今の状態で夫のことを考えれば間違いなく自分が傷付くだけです。
それを一日中やっていてまともな精神状態でいられるわけがありません。
夫以外のことに意識を向けることで少しでも健全な精神状態を取り戻し、その中で夫のことを考えていけば気持ちが変わってきます。
実際に仕事を始めて忙しくなったことで夫への執着が薄れ、しんどさが和らいでいったケースがありました。
夫への不安や怒り、悲しみがありながらになりますが、なるべく自分が楽しめること、没頭できることに時間を費やすようにしてみてください。
夫に自分の気持ちを話す
夫を責めているときは自分の気持ちをあまり話すことができていません。
「えっ?」と驚かれたかもしれませんが、気持ちが不安定になったときに言っている内容を思い出してみてください。
「どうして風俗に行ったの?」「どうして好きでもない風俗嬢を何度も指名したの?」「どういうプレイをしていたの?」「この日も風俗嬢と会っていたの?」
自分がどれだけ傷付いたかをわかってほしい思いからの発言ですが、言われている夫は責められたとしか感じていません。
責められているから追い込まれて逆ギレ、もしくは沈黙するしかなくなっているのです。
悲しかった、寂しかった、不安になる、つらい…
夫の風俗通いで自分がどういう気持ちになっているかを話すようにしていただくと今よりは楽になりやすいと思います。
第三者に自分の気持ちを話す
夫を前にすると感情が先だってどうしても責め立ててしまう場合は、第三者に話すようにしましょう。
親兄弟、信頼できる友人、職場で仲良くしている人等。
自分の気持ちが話せていく中で、夫を理解しようと思えるようになったり、夫の変化を認めることができるようになったりします。
一人で抱え込んでいると悲しみや怒りが解消されないままになるだけでなく、増幅して自分でも制御できない状態になってしまう危険性があります。
誰にも言えず抱え込んでおられる場合は、カウンセリングを受けてみることをご検討ください。
カウンセリングでは、背景にあるアタッチメントタイプやカサンドラ症候群等の問題を考慮しながら、夫の風俗通いの再発防止だけでなく、夫婦関係の再構築に向けたコミュニケーションの改善をおこなっております。