カウンセリングを受け始めてすぐの頃、受ける前よりしんどい状態になることがあります。
例えば、イライラしやすくなったり、嫌だと思うことが増えたり、好きだった親をうっとうしく思うようになったり、体調を崩したり…
受ける前よりしんどくなったわけですから「カウンセリングを受けて悪化した」と思われるのは当然だと思いますが、実はこれは改善に向かっている証拠であり、良い兆し(好転反応)なのです。
なぜしんどくなるのか?
今の悩みを解決するためには、抑え込んで見ないように感じないようにしてきた自分の本音と向き合っていく必要があるからです。
カウンセラーとの会話で今まで目を背けてきたことを少しずつ話すことになり、話していく中で自分の気持ちに気付きやすくなっていきます。
気付きやすくなることによって、今までは感じなかった自分の感情や本音が出てくるようになり、それを上手く表現できない現実にしんどさを感じるようになるのです。
感情の抑圧が強く麻痺させてきたような人の場合、今まで感じなかったネガティブな感情を感じてしまうので余計にしんどくなる傾向が見られます。
カウンセリングは癒しではない
意外と勘違いされているのが、カウンセリングをヒーリングか何かだと思っておられるケースです。
こう考えている人の場合、カウンセラーに話をしてスッキリ(カタルシス効果)しやすい初回は満足されます。
しかし、数回受けていく中でしんどくなる時期に差し掛かるとやめてしまうのです。
癒されると思っていたはずがしんどくなるなんて、本人にしてみればありえない話ですからね。
まれにカウンセリングを受ける前から自分と向き合っていて、今まで知らなかったことを知ることができると楽しみながら継続する人もいます。
たしかに自分を知る喜びもあるのですが、向き合うことで生まれるしんどさもあることは知っておいてください。
継続できなくてもダメではない
カウンセリングは自分の本心と向き合うことになりますので、日々のつらさを抱えながらでも本心を隠して今のままやっていきたいと無意識に望んでいる方はやめます。
ただ、そのやめ方に関してはある意味いいのかなと思っています。
表面的に解決したいと思ってカウンセリングを受けては見たものの、本心と向き合って本当の問題を乗り切るほどではなかったということですから、それを知れただけでもよかったのではと思うのです。
もし、カウンセリングを受けて続かなかったとしても、また別の問題に直面してカウンセリングを受ける。本質的な問題が解決されていないままではどこかのタイミングでまた問題が起きるわけですから、そのときにまた改善したいと思ってカウンセリングを受ける。
もしかすると、そこで本質的な問題と向き合う覚悟ができて改善できるのかもしれませんし、また同じように現状維持を選ぶのかもしれません。
改善するかしないかの選択
カウンセリングの継続はカウンセラーの力量や相性も影響するため、好転反応だけの話ではありません。
ただ、好転反応が出た時点でどうするかは自分が選ぶことになります。
続けるか、やめるか。
しんどいのを乗り越えて改善するか、しんどいのを避けて今まで通り現状維持するか。
カウンセリングはお金もかかるし、時間もとられる。
しかも、本質的な問題に向き合うことによるつらさを乗り越えないといけない。
考えると結構続ける壁は高いですが、改善したいと思っておられるなら休みながらでも継続していただきたいと思っています。