自覚がないのになぜか周りから「プライドが高い」と言われてしまう。
親から頑固だとよく言われていた。
対人恐怖症で悩む人に頑固でプライドが高い人は多いです。
まるで自分の考えが全てであるかのように、他人の話でも自分の都合の良いように捻じ曲げて解釈したり、自分の考えにそぐわないことは聞き流す。
自分が認めた相手からのアドバイスは素直に受け取るけど、認めていない相手からのアドバイスはまったく聞かないとか、あからさまな態度を取る人も少なくありません。
元々、私自身がそうだったので感覚として理解できますが、当時は人間関係でものすごく苦労したのを覚えています。
「頑固は頑固かもしれないけど、自信もないしプライドなんてあるはずがない」と思っている人は意外と対人恐怖症の可能性が高いです。
今回の記事では頑固でプライドが高い性格と対人恐怖症の関連性、そして自分を変えていくためにどうすればいいかをお伝えします。
対人恐怖症の人は頑固でプライドが高い?
プライドが高くなる原理に焦点を当てれば対人恐怖症との深い関連性が見えてきます。
自己評価が低く他者からの評価に怯えている
プライドが高くなるのは一種の防衛反応と言えます。
他人からの評価がすべてになっている状態で低い評価をされるのは耐えられない。何とかして良い評価をもらおうとしているから悪い評価に過剰反応するわけです。
人から馬鹿にされることに我慢ならないという感情は,他人から批判されることへの反発につながると考えられる。このような感情を強く持つ人達は,対人恐怖心性尺度では自己評価が低いという結果を得たにも関わらず,人から低い評価で自分を見られるには我慢ならない。つまり,プライドが高く,それを傷つけられることに対して非常に敏感なのである。
自信はないのに見下されたくない、相手より上でありたいと思う状態になっています。
だから、人を上下で見る人がほとんど。
スクールカースト(ヒエラルキー)への意識が強く、自分より下だと思う相手だと安心してコミュニケーションが取れるのです。
また、自尊心がなく他人の評価に依存しているので、常に周りの目を気にする状態になっています。
彼らは,自尊心という自己を評価できるものさしを自分自身の中に持っていないために,常に他人を意識し,自分が他人の目にどう映っているかを気にすることで自己を保っているといえる。
馬鹿にされないかどうかビクビクしているから、誰かと一緒にいても不安が消えることはありません。
人間関係で悩んでいる、もしくは上手くいっていない人たちは、他人との関係を上下で見る傾向があります。なぜ人を上下で見てしまうのでしょうか?
自分の問題を受け入れられない状態になっている
プライドが高い人は低い評価を受けないように守っているから自分を誤魔化します。
誤魔化すことが習慣化して自分の問題を見ないようにしている。
自分をさらけ出す場であるはずのカウンセリングでも自分に問題があるような話は出てきません。
自分の中に問題がないかのような錯覚に陥っているのです。
だから、他人に指摘されても気付けない。気付いていても受け入れることができず「そんなことはわかっている」と怒り出す人もいます。
自分を肯定する話のときは大丈夫なのですが、何か問題があるかのような話になると態度が豹変しますからね。
自分に問題があることは許しがたく、どうしても受け入れることができない。
プライドが高い人は自分の問題を認識することができない状態になっているのです。
プライドが高い性格を変えて対人恐怖症を克服するために
プライドを守るシャットアウト思考をなくす
大切なことはまず自分が他人の考えや価値観をシャットアウトしていることに気付くことです。
身近に「この人はダメだ」と否定している相手はいませんか?
誰かの行動を見て「何でこうしないんだ」とイライラすることはありませんか?
もし、あるのならその相手をシャットアウトしている状態だと言えます。
まず「なぜシャットアウトしてしまうのか」を考えてみましょう。
カウンセリングを受けながら自分の中にある固定観念や嫉妬心等に気付くことができれば少しずつ変わってきます。
シャットアウト思考は「自分は正しい、だから相手が間違っている」という○×思考でもあるので、自分の考えにも相手の考えにも○×を付けずに「そういう考えもあるな」と認めていく作業も効果的です。
すべてのことに対してシャットアウトしないようにするのは難しいですが、ある程度柔軟性を持たせるくらいの感覚で取り組んでいきます。
自分が見ないようにしている嫌なところを認める
強く強く抑圧して自分にはないと思い込んでいる嫌なところがあります。
幼少期に親に甘えることを許されず、甘えたい気持ちを抑え込んでないものとしてきた人は、甘えている人を見ると無性にイライラしてしまう。
甘えるなんて絶対に許さないぞと、まるで悪を退治するかのような感覚になるのです。
人は自分の中にあるはずのものを認めていない、ないものにしていると、その要素を持つ人に過剰な反応を示すようになります。
他の人が「あの人はすぐ甘えるからねぇ」と笑いながら愚痴るようなことに対して、「あの性格は絶対に直さないといけない!あんなの許されるわけがない!」と怒り出す感じ。
ものすごく強い感情の動きですよね。
自分の中で絶対にダメ、許されないと思っているから抑圧してないものにする。
でも、本当は甘えたい気持ちを強く持っているから他人に映し出されて刺激してくるのです。
カウンセリングでは自覚できなくなった自分の嫌なところに気付けるように促し、認められるまでの葛藤を一緒に乗り越えます。
自分を受け入れることができればプライドは捨てられる
他の人と同じようにできない自分が許せない、受け入れられない。
できると思っているからこそ、できない自分が許せません。
もし、できないのが当然と思っている人は「やっぱりできないよな」と納得しますからね。
できない自分が嫌だと思えば思うほどそうなりたくない。プレッシャーになる。
プライドが高い人は自分のダメなところを絶対に受け入れたくないのです。
だから、無理やり受け入れようとするのではなく、受け入れやすい状態を作っていくことからになります。
まずはカウンセリングで自分をさらけ出して受け入れられたという実感を得る。
「不完全な自分」をありのまま認めること、それが「自己受容」だ。「自己受容」ができるようになると明日への活力が湧いてくる。
一番効果的なのは失敗を含めてありのままの自分をさらけ出せる相手を見つけ「受容」してもらうこと。
受容してもらえたことで自分も自分のダメなところを受容できるようになっていく。
自己受容ができることでプライドが必要なくなるから消えていくのです。
カウンセリングでは、受容を前提に自分と向き合いやすくなる対話をおこない、自己受容から対人恐怖症の克服までサポートしております。