親とのかかわり、職場の人間関係、子育てといったことで悩み、「自分はアダルトチルドレンではないか」と思ってご相談いただくことがあります。
また、アダルトチルドレンだと自覚していないまま、対人恐怖症や依存症、適応障害、うつ等の改善を目的としてカウンセリングを受ける方も少なくありません。
アダルトチルドレンについて
アダルトチルドレンは、問題のある家庭環境に適応し続けてきたことで心に深い傷を負った人たちを指す言葉です。
家族運営の主体となるはずの親が機能しておらず、子供ながらに家族を成り立たせる役割を担うしかなかった。
子供らしくありのままの自分でいることが許されない状況下で、家族の為に自分を犠牲にしてきた結果がアダルトチルドレンだと言えます。
- 本当はかかわりたくないのに親の気持ちを考えると距離を置くことができない
- 親を責めてもわかってもらえず、自己嫌悪と罪悪感に苛まれてしまう
- 「自分は存在していていいのか」と不安になり、生きていることに対して申し訳ない気持ちになる
アダルトチルドレンは無価値感や無力感を抱えているため、親をはじめ他者の期待に応えなければならない感覚が非常に強く、ありのままの自分でいられないところに生きづらさがあります。
アダルトチルドレンになる原因
生まれ持った性質に「機能不全家族」の問題がのしかかってしまうことがアダルトチルドレンの原因となります。
アダルトチルドレンになる人は、生まれつき繊細さや共感性の高さ(HSP等)を持っているケースが多く、家族の問題を背負い込むことで心に傷を負ってしまうのです。
機能不全家族は、親子間のコミュニケーションに問題を抱えた家族であるため、DVや虐待をする親、ヒステリックな親、高圧的な親だけでなく、過保護・過干渉な親、夫婦仲が悪い両親、世間体ばかり気にする親等も該当します。
幼児性の高い親が自分で自分の感情をコントロールできず、子供が親の顔色をうかがってコントロールする役割を果たしている状態(親子逆転)がほとんどです。
年齢を重ねるにつれ生きづらさを感じる度合いが増し、問題と向き合い始めた頃に「アダルトチルドレン」や「毒親」という言葉を知り、初めて親子関係の問題に気付く人が少なくありません。
アダルトチルドレンの特徴
アダルトチルドレンには以下のような特徴が見られます。
- 見捨てられないか(嫌われないか)常に不安
- 人に頼ることができず一人で抱え込む
- 他人は正しくて自分は間違っていると思う
- 完璧主義、0か100かといった極端な思考
- 周りから否定的に見られている感覚がある
- 褒められても素直に受け取れない
- 自分の気持ちがよくわからない
- 他人の不機嫌やイライラは自分のせいだと思う
- 怒られるのがものすごく怖い
- 真面目、やさしいと言われる
- 友達関係でも相手の負担になることはできない
- 頼まれると断れない
- 「べき」「ねばならない」で動くことばかり
- 自分には価値がないと思う
- 視野が狭く衝動的になりやすい
親の為、家族の為に我慢する。自己犠牲を厭わず、自分を蔑ろにすることが習慣化しています。
自分にとってどうかではなく、親にとってどうかを基準に動く。
自分に基準がないため、どれだけ頑張っても自信を持つことができないのです。
アダルトチルドレンの概念と特徴、6つの役割(ヒーロー、スケープゴート、ロストワン、プラケーター、クラン、イネイブラー)について説明しています。
アダルトチルドレンと親子関係
アダルトチルドレンは親子関係で満たされるはずだった愛情を必死に求めています。
言わずに察してもらおうとして、察してもらえないことに傷付くのは「愛されたい」気持ちが強くあるから。自覚しているかどうかにかかわらず、愛してくれなかった親への怒り、憎しみを抱えています。
親を許せない気持ちはあるのですが、育ててもらった親を憎んでしまう自分を許すことができません。
親に対する気持ちにどう折り合いをつけていくのかもアダルトチルドレンを克服する上で大切なテーマとなるのです。
実際に親と会って思いの丈をぶつける人もいれば、手紙で伝える人もいれば、言わないという決断をする人もいれば、解決に至る過程は人それぞれ。
カウンセラーに言われてアクションを起こすのではなく、自分自身と向き合っていく中でどうすべきかの答えが見つかっていきます。
ただ、「毒親」に該当する親だと会話にならないケースがあるため、一筋縄ではいかないことが多い印象です。
必要に応じてご家族の同席、親にカウンセリングを受けてもらうといったことも視野に入れながら対応しております。
アダルトチルドレンのカウンセリング
担当させていただく心理カウンセラー(公認心理師)の西橋康介です。
アダルトチルドレンのカウンセリングは、親子関係で見失った本当の自分を取り戻すため、まず自分を知ることから始めます。
カウンセラーに自分のことを話す経験を繰り返していく中で、少しずつ自分の存在を認める安心感が芽生えてくる。
カウンセリングで具体的なレクチャーを受けながら少しずつ自分を大切にする感覚を養っていきます。
自分の存在を感じ、自分が自分を大切に思えるようになることで、アダルトチルドレンは克服できるのです。
アダルトチルドレンの克服において大切なのは話すこと
アダルトチルドレンを克服する上でもっとも大切なのは自由に話していただくことです。
こんな話をしても大丈夫なのか、わかりづらくないだろうか、意味があるのだろうか等と気にしながらでも話していくことで改善に向かいます。
自由に自分を表現できればできるほど自分の存在を感じられるようになっていくからです。
自分は存在している、存在しても良いんだと思えてくると安心感が生まれ、今までの不安や焦りは消えていきます。
ただ、「話すことが大事」と言われてもなかなか難しいと思いますので、話せそうなことから少しずつお話しいただければ大丈夫です。
不安を和らげるアドバイスと適度な質問で話しやすくなるサポートをしております。
カウンセリングによる変化
カウンセリングを受けてアダルトチルドレンを克服した方は以下のような変化を感じておられました。
- 人に気を遣いすぎてしんどくなることがなくなった
- 自分を大切にして休むことができるようになった
- 自分なりの頑張りを認めることができるようになった
- 親に自分の思いを伝えて愛されていることが実感できた
- 親との距離感を自分から上手く調整することができるようになった
- 自分だけが悪いと思って抱え込むことがなくなった
- 自分と他人の線引きができるようになった
- 胸に穴が開いているような感覚がなくなった
- 子供を愛おしく思う感覚が出てきた
自分がアダルトチルドレンなのかわからない…
アダルトチルドレンかどうかわからないまま、カウンセリングを受けていただくことも可能です。
「アダルトチルドレン」は病名ではないため、精神疾患の診断で用いられるDSM-5のような明確な基準がありません。
つまり、アダルトチルドレンだと確信を持って判断することはできないのです。
育ってきた家庭環境や特徴がある程度当てはまるかどうかで見ていただくといいと思います。
人とのかかわりを中心に生きづらさを感じておられるのであればご相談ください。
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