昔と違って今はいくらでもアダルトコンテンツを手軽に見ることができます。
スマートフォンの普及によってトイレでも車でもほんの少し時間があればアダルトコンテンツが楽しめる時代です。
最近では在宅ワークも増え、よりポルノ依存症になる人が増えてきたのではないかと思っています。
ポルノ依存症とは?
ポルノ依存症はポルノ中毒とも呼ばれ、AVを中心とするエロい動画や画像、雑誌、漫画ばかり見て、やらないといけないことができなくなったり、集中力が欠如したり、無気力になったりと日常生活に支障をきたすものです。
症状として以下のようなものが挙げられます。
- 仕事の合間でも隙あらばスマートフォンでアダルトサイトを閲覧する
- 職場でもムラムラしてきたら自慰行為(オナニー)をするためにトイレにこもる
- 休日はアダルトサイトを見ながら一日中ダラダラと自慰行為を繰り返す
- エッチな動画や画像等を見れない日は落ち着かない
- 嫌なことがあると無性にアダルトサイトが見たくなってしまう
テレビ、動画、ニュース配信サイト、SNS、街中…性的に魅力を感じる女性を見かける些細なことが刺激となり、アダルトサイトが見たくなる、自慰行為がしたくなる。
ポルノ依存症の人は常にエッチなことが頭から離れないと言えるほど、アダルトサイトの閲覧や自慰行為を中心とした生活を送っているんですよね。
自慰行為の回数は全国平均の「約3回/週」をはるかに超える「5回以上/日」という人も珍しくありません。
ポルノに依存してしまう要因
快感が得られる
アダルトコンテンツを見ることで刺激を受け、自慰行為がより気持ちよくなる効果が得られます。
自慰行為をしないときであっても、アダルトコンテンツを見ることで刺激を受けて興奮状態になる。
これはゲームやギャンブル、スポーツ観戦等と同じような感覚で快感を伴うものです。
また、自慰行為をするときにアダルトコンテンツを見る習慣があれば、アダルトコンテンツを見た段階で脳の快感物質であるドーパミンの分泌が起こり、快感が得られる側面もあります。
『パブロフの犬』で有名な条件付けによって、自慰行為をせずとも快感を得ることができてしまうのです。
少し種類は違いますが、梅干しやレモンを想像すると唾液が出てくる条件反射をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
手軽に強い快感が得られるからアダルトコンテンツを見たくなるのです。
本能的な欲求
本能的に男性はできるだけ多くの女性とSEXして子孫を残したいという欲求があります。
かといって、だれかれ問わず声を掛けてSEXできるわけではない。「自分は女性に相手にしてもらえない」と思っていたら諦めざるをえなくなる。
パートナーができても他の女性とSEXしたい欲求は消えませんが、理性によって浮気はダメだとブレーキがかかります。(かからない人も一部存在しますが…)
欲求はあるけどもブレーキをかけている状態なので欲求不満になりますよね?
そのはけ口としてアダルトサイトが出てきます。
画面越しにいろんな女性の裸やSEXを見て自慰行為をすることが他の女性と擬似的に関係を持つことになるからです。
EDの傾向がある人の場合、擬似的なSEXによって自分の生殖機能はまだ衰えていない、大丈夫だと安心できる要素もあります。
ストレスを抱え込んでいる
ストレスの影響でアダルトコンテンツを見たい欲求が強まっている可能性が考えられます。
欲求の制御は理性脳と呼ばれる前頭葉の役割ですが、ストレスがかかると働きが悪くなり、上手く制御できない状態になってしまう。逆に、欲求を司る大脳辺縁系の働きは活性化されて性欲が強まる。
結果として性欲の赴くままに動いてしまうわけです。
また自慰行為によって得られる強い快感が現実逃避的な役割を果たすだけでなく、オキシトシンやセロトニンといった脳内物質の分泌によるリラックス効果もあるため、ストレスを抱えたときに求めやすくなる傾向があります。
ストレスで寝つきが悪くなり、寝酒のような感じで寝る前に自慰行為をすることが習慣化してしまうケースもしばしば。
アダルトコンテンツを見ずにいられない、自慰行為をせずにいられない状態になっているのであれば、何かしら日々の生活でストレスを抱え込んでいるのは間違いありません。
ポルノ依存症が引き起こす問題
仕事や勉強への意欲がなくなる
アダルトコンテンツを見る時間が長ければ長いほど、脳の線条体というやる気を司る部分が小さくなり、仕事や勉強、家庭のこと等に意欲を持てなくなると言われています。
アダルト動画を見ることは受身であり、テレビをダラダラ見続けるのと大差ありません。
受身の習慣を強化させてしまうことも自発性を失わせるので何事に対しても面倒くささを感じやすくなっていくんですよね。
他人が性行為をしている様子を眺める視聴者の感覚が主体性を失わせ、いざSEXをする場になってどうすればいいかわからない状態になることもあります。
EDになってしまう
アダルト動画は過剰な演出によって性的興奮を誘うものとして制作されています。
普段からアダルト動画の強い刺激に慣れていると、実際の女性とのSEXでは興奮しづらくなるわけです。
また、「床オナ」と呼ばれるような間違った自慰行為の影響で、女性の膣内の刺激では物足りずに萎えてしまうことも起こりえます。
自慰行為なら自己中心的に気持ちよくなれたとしても、相手とするSEXでは思い通りにならないことで不満を抱えるケースは多いです。
性依存や性犯罪につながる
アダルトコンテンツを頻繁に見ることは、脳の快感物質であるドーパミンの過剰分泌にもつながるため、より強い刺激を求めてしまいます。
動画や画像より強い刺激。つまり、リアルな刺激を求めるようになるのです。
動画や画像を見続けたせいで異性を一人の人間ではなく、単なる性の対象物としてしか見れなくなった状態でリアルな刺激を求めて行動を起こしてしまう。
ここが風俗や出会い系への依存、性犯罪につながる理由だと言えます。
アダルト動画への課金、違法ダウンロードに手を出す
ポルノ依存症が悪化していくとアダルト動画を見て自慰行為をすることよりも、より自分の好みに合ったアダルト動画を探すことが楽しみになっていきます。
自慰行為をするために必要な動画はあっても、他の動画を探さないと気が済まない。
何時間も動画を探す時間に費やし、人によってはダウンロードを繰り返して収集するようにもなります。
結果として、有料の動画を頻繁に購入する、違法配信と知りながらダウンロードしてしまうといった問題が起こる危険性があるのです。
どうすればポルノ依存症は改善できるのか?
まずはアダルトコンテンツを断つことから
ポルノ依存症の改善において重要なことはエッチな動画や画像等をいかに見ないようにするかです。
アダルトコンテンツを見るからムラムラして自慰行為をしてしまう。自慰行為で快感を感じるからまた見たくなる。
このポルノ依存症の悪循環を断つためには、見ないようにすることから始める必要があります。
ただ、依存症である以上、「見ないようにしよう」と意識するだけでは効果がありません。
スマートフォン、タブレット、パソコン、それぞれのブックマーク(お気に入り)を削除、フィルタリングやセーフサーチ等でアダルトサイトにアクセスできない状態にする、家族に見える場所だけでスマートフォンを使う等、アダルトコンテンツを見ることができない状態にしていきましょう。
ポルノに意識が向きづらい状態にする
別でやることを作ってエッチなことに意識が向きづらい状態にしていきます。
読書、漫画、アニメ、映画、ドラマ、ゲーム、パズル、クロスワードパズル、塗り絵、資格の勉強、英会話、プログラミング、投資、カラオケ、料理、食べ歩き、カフェ巡り、お寺巡り、美術館、サイクリング、ドライブ、電車旅、スーパー銭湯、マッサージ、ヨガ、ウォーキング、ジョギング、筋トレ、テニス、フットサル、キックボクシング、ソロキャンプ、家庭菜園、動物の飼育…
興味関心を抱きやすいこと、楽しみになること、快感が得られること、自分がより良くなることをテーマに複数用意しておくと効果的です。
何か一つのことで置き換えることは難しく、もしできたとしてもそこに依存してしまう危険性があるため、複数でバランスよく楽しむことを心がけましょう。
ストレスを感じるたびにアダルトサイトを見てしまう状態であれば、別のストレス発散法を探すことも考えてください。
ポルノ依存症を生み出す根本的な原因を解消する
そして、ポルノに依存せざるを得ない状態にさせる根本的な原因を解消することが必要です。
依存症の中核にある否認の影響により、一人で考えても原因を自覚することはできませんが、カウンセリングで自分と向き合うことで気付いていくことができます。
カウンセラーから具体的なアドバイスを受け、取り組んでいく中で原因が解消され、ポルノ依存症は改善に向かうのです。
無料のアダルトコンテンツを見るだけならお金はかかりませんが、貴重な時間が浪費されているだけでなく、自覚のないところで問題が膨らんでいます。
勉強や仕事に集中できない、パートナーとの関係に支障が出ている等、何か問題が表面化している場合はもちろん、まだ問題は起こっていないけどポルノ依存症に該当すると思われる場合もご相談ください。