学校や職場といった集団で人の輪に入れないのは死活問題です。
職場や学校の休憩時間、何人かで集まって雑談している様子を目にすることは毎日あるでしょうし、会社の飲み会、友達に誘われて何かの集まりに参加することもあるでしょう。
そんな中、一人だけ馴染めずポツンと自分の席にいると居たたまれない気持ちになりますよね。
みんなが楽しそうに話していればいるほど惨めな気持ちになってくる。
「輪に入りたいけど何話していいかわからないし入るタイミングもわからない」と入ることを諦めて忙しいフリして紛らわせるか、話しかけられて愛想笑いしながら返事するのが精一杯。
私自身何度も経験していたことなので痛いほどつらさがわかります。
人の輪に入れない原因とは?
傷付くのが怖い
輪に入れないことに悩んでいる人は、みんなと同じように話せない自分はダメだと思っています。
だから、自分に話を振ってもらえなかったり、話したときの反応がいまいちだったりすると、ものすごくダメージを受けてしまう。
自分から輪に入ろうとしなかったり、誘われても参加しないのは傷付くのが怖いからです。
人の輪に入りたいけど傷付きたくない。
とくに話すのが上手いわけでもなく、普段から輪に入ってなければ話せないのも当然なんですけどね。
上手く話せない自分を見られたくないというプライドも影響しています。
他人の目を気にしすぎている
同僚や友達が集まって話して楽しそうに盛り上がっているときは、「自分が入ったらせっかくの楽しい雰囲気を壊してしまうんじゃないか」という不安。
あまり親しくない相手が複数集まっている飲み会などの場では、何を話せばいいかわからず輪に入るタイミングすらつかめません。
もし入れたとしても上手く話せず、居たたまれない気持ちになってしまう。
人の輪に入れない要因はいくつもあるのですが、共通していることが一つあります。
それは、相手にどう思われるか、どう見られるかをものすごく気にしていることです。
自分が話したい、楽しみたいよりも、周りから見て浮いていないかどうか、しょうもない人に見られないかどうかばかりだから人の輪に入れなくなるんですよね。
人の視線が怖いと感じる他者視線恐怖症の改善方法をお伝えしています。
人の輪に入れない前提で見ている
人の輪に入れないことで悩んでいると、自分が輪に入れてもらえるとなかなか思えません。
- 自分が話したときだけみんなの反応が悪いように感じた
- 気を遣って話を振ってもらっているだけのような気がする
- みんなは知っていて自分だけ知らない話題ばかり
あの人は自分より後から入ったのに馴染めている…
やっぱり自分は人の輪に入れないんだとネガティブに考えて落ち込む。
周りは輪に入れようとしてくれていたのに、自分から距離を置くようになってしまうのです。
結果的に「あの人は輪に入りたくないんだな」と誤解されるだけでなく、入れようとしてくれた人の好意を裏切ることにもなりかねない。
自分が距離を置いたから声がかからなくなったのに「自分は嫌われているんだ」と解釈。
チャンスを自分で潰してしまっていることも人の輪に入れない原因になっています。
新しい環境で人の輪に入っていくコツ
人の輪に入る最初のキッカケを逃さない
小さい頃からずっと仲良しのグループであったり、何年も付き合いのある仕事仲間の集まりであったり、すでに関係が出来上がっている輪に自分から入っていくのはなかなか難しいものです。
気にせず輪に入っていける人の方が少ないでしょう。
たいてい仲良しグループの誰かが新しい人に声をかけて馴染んでいくというパターンになります。
新しい環境で声をかけてもらった経験はありませんか?
まずこの最初のキッカケを逃さないことが人の輪に入っていく上で大切です。
せっかく話しかけてもらったのに会話しようとしない、飲み会に誘ってもらったのに参加しないとなれば、相手は「輪に入りたくない人なんだ」と思ってしまいます。
本当は仲良くしたい、輪に入りたいと思っていたとしても、相手に自分たちとかかわりを持ちたくなさそうと判断されてしまえば同じです。
最初のキッカケを逃してもチャンスはある
人の輪に入るために最初のキッカケを逃さないのは大切ですが、すでに逃してしまって学校や職場で過ごしている人も多いでしょう。
だからといって、環境を変えて最初からやり直さないといけないということではありません。
今の状況からでも輪に入るチャンスはあります。
最初に話しかけてくれた人、もしくはグループの中で話しやすそうな人に一対一の場面で話しかけるのです。
たいてい新しい人に話しかけてくれる人は世話好きなので、一旦心理的な距離ができてしまってもまたこちらから近づけば受け入れてくれやすい。
さらに話しやすいと思える人なら心理的なハードルが下がって会話がしやすい。
一対一の場面が輪に入るためのチャンスとなるわけです。
人の輪に入れるようになるために
人の輪に入るハードルを下げる
仕事の休憩時間、何人かの人が集まって話し出す。
たまたま自分の席が近くて話を聞いている。
そのときに頷いたり笑ったり何かしら反応をすれば輪に入ったことになります。
「えっ?」と思われるかもしれませんが、輪に入るというのは友達になることとは違いますからね。
だから、まずは近くで頷くだけでもいいということ。
何となく輪に入っているような感じにして、興味関心がある話になれば質問をしてみる。
気付いたら輪に入ってみんなと話しているという流れにしていくのです。
最初から輪に入って仲良く話そうとするのではなく、何となく輪に入っているかなくらいから始めるのがいいと思います。
自分をしっかり持てるようにする
本来、私たちが生きていく上で大切なことは自分がどうしたいか、どうなりたいかです。
人生を楽しみたい、より良いものにしていきたいのであれば、できる限り自分の本音を尊重しつつ相手に合わせないといけないところだけ妥協する形になります。
それが相手から見た自分ばかり意識する状態だと逆転して、相手に合わせて自分の本音を押し込めることになってしまう。
押し込め続けると自分の本音を見失い「自分が本当はどうしたいのか」がわからなくなるから、相手に合わせることしかできなくなるわけです。
人の輪に入れるようになるためには、押し込めてしまっている自分の本音や感情に気付くことが必要。
カウンセリングで自分のことを話していく中で、少しずつ自分を取り戻していきます。
人とのかかわりで自分を表現できるようになれば相手に合わせる必要がなくなり、相手から見た自分ばかり意識する状態から解放されていく。
結果として、変に意識しすぎず自分が入りたいと思ったら人の輪に入れる状態になるのです。
人の輪に入れてもらうのではなく自分から入る
「人の輪に入る」という言葉通り、本来は自分から輪に入っていくものです。
最初は話しかけてもらったチャンスを活かす形でいいのですが、輪に入れてもらうのではなく自分から入る意識だけは持ってください。
輪に入りたいと思っていても「相手次第でどうなるかわからない」ではどうしようもありませんからね。
人の輪に入るのは「自分次第で何とでもできる」と思えるようになることが大切なのです。
実際に誰とも話せず孤立していた人が、少しずつ周りに馴染んで友達ができ人の輪に入れるようになった事例はいくつもありました。
カウンセリングでは詳しい状況をお聴きした上で具体的にどうすればいいかまでアドバイスもしています。
人の輪に入れない孤独を耐え続けるのはやめて人間関係を楽しめるようにしていきましょう。