自分を受け入れたほうがいいとわかっていても受け入れられない。
そもそも自分を受け入れるとは何なのか、よくわからないという方が多いのではないでしょうか。
この記事では「自分を受け入れる」ということ、そして、自分を受け入れるためにどうすればいいのかについてお伝えしております。
自分を受け入れるとは?
自分のネガティブな側面を受け入れること
たいていの人は自分のポジティブな側面は受け入れることができています。
勉強が平均以上はできている、真面目に仕事を頑張っている、片付けができる等。
人に聞かれても答えられるし、場合によっては自分から言うことだってある。
しかし、ネガティブな側面になると隠そうとしたり、誤魔化そうとしたりする傾向が出やすい。
自分を受け入れるというのは、受け入れられていない自分のネガティブな側面を受け入れることなのです。
すべてを自分の構成要素として見ること
自分にとって嫌だと思うところは誰にでもあります。
例えば、繊細で気にしやすいのが自分にとって嫌なところだったとします。
どれだけ嫌だ、なくしたいと思ったとしても、繊細さが生まれ持った性質であればなくすことはできません。
自分が自分である以上、どうしようもないわけです。
生まれ持った性質はたとえ嫌なものであったとしても、「これがあるから自分なんだ」と思いながら付き合っていく。
変えることができる要素であれば、自分を偽らずに少しずつ変えていく努力を重ねているのが自分を受け入れている状態です。
「今」の自分を対象とすること
過去の自分でも将来の自分でもなく、受け入れる対象は今の自分です。
昔は友達が多くて楽しかったけど今はほとんど人とかかわりがなくて孤独。
こうなりたいと思う理想はあるけど今はかけ離れた状態になっている。
今が自分にとって望ましくない状態であればあるほど目を背けたくなります。
なかなか難しいことではありますが、今の自分と向き合うことによって自分を受け入れることができるのです。
自分を受け入れるのは比率
自分を受け入れるというのは、自分を受け入れているか、受け入れていないかの二択ではありません。
感情的になりやすいところや不器用さは嫌だと思いながらも受け入れることができている。でも、他人を見下すところや差別心は自分にはないと思っていて受け入れることができていないとか。
無意識に目を背けているところやまだ自覚できていないところは受け入れることができないため、100%自分を受け入れることができている人はいないと思います。
自分を受け入れることができていない人は、自分を受け入れている比率が低い。
逆に、自分を受け入れることができている人は比率が高い。
あくまでも比率の問題だと言えます。
10%自分を受け入れていて、90%受け入れていないでは、ほとんど自分を受け入れることができていませんよね。
60%自分を受け入れていて、40%受け入れていないであれば、ある程度は自分を受け入れることができています。
自分を受け入れる比率が50%を超えたら受け入れたと言えるというような明確な基準はありませんが、比率が高まるほど自分を受け入れることができているわけです。
「自分を受け入れる=自分を受け入れる比率を高める」と考えておいてください。
自分を受け入れることができたらどうなるの?
生きづらさが解消されて楽になる
自分を受け入れることができれば、等身大の自分でいられるので楽になります。
自分が自分を否定しないため、湧き上がったエネルギーを抑え込むことがなくなり、「自分がどうしたいか」で動きやすくなる。
相手から否定的なことを言われたり、嫌な態度を取られたりしてもほとんど影響を受けることがない。
自分を偽る必要がなくなるので過剰な警戒心や気遣いがなくなります。
また、他人と比較して自分はどうかと思うことがなくなり、過去や理想にとらわれることもありません。
自由に自分を表現して人生を楽しみ、幸せを感じやすい状態になるのです。
向上心が生まれる
自分を受け入れたら向上心がなくなってしまうのではと思う人は少なくありません。
自分のダメなところを否定することで向上していくものと思っているからです。
たしかに「こんな自分はダメだ」と思って変えていくために努力するパターンはありますが、ダメだと思うことで気持ちが萎えて頑張れなくなることが出てきます。
また、ダメだと思いすぎることで自分を見ず、別人を目指して自分を見失ってしまう可能性もありますよね。
「自分を受け入れる=そのままの自分を見る」ということになるため、自分のダメなところを見て落ち込むことはなく、今の自分をベースに向上させていくことができます。
冷静に今の自分を見て向上させたいと思うことがあれば自然と努力するようになるのです。
自分を受け入れるためにどうすればいいのか?
自分を知る
自分を受け入れるためにはまず自分を知ることが必要です。
自分がわからないままでは受け入れようがありませんからね。
何が好きで何が嫌いで、何に関心があって、何について考えることが多くて、何を思い何を感じているのか…
現時点で把握している自分のことを紙に書き出してみましょう。
自分にとって嫌な面が多く出てくるかもしれませんが、しんどくならない程度で取り組んでみてください。
人間である以上誰にでも影の部分はありますので、考えや思いを自由に出せば世間一般の常識から外れた内容が出てくるものです。
「あってはならないと思う部分を含めて自分なんだ」と思える感覚が出てくるにつれ自分を受け入れることができていきます。
自分の基準で自分を見る
自分を受け入れることができない人は、他人や世間一般の基準で自分を見ています。
- 学校のテストで平均以上の点数が取れている
- 学生時代に数人と付き合った経験がある
- 正社員で働いていて安定した収入がある
- 結婚していて子供がいる
- 親に感謝していて大切に思っている
このようなことを基準にしていた場合、自分が基準に達していないと思うと自分を受け入れることができなくなります。
自分を受け入れるためには、自分の基準で自分を見ることが必要となるのです。
- 平均より点数は低いけど自分なりには頑張れた
- 学生時代は悩みを抱えていて毎日学校に行くだけで必死だった
- アルバイトで気楽にやりたいことができている
- 一人の時間を大事にしながら必要最低限で人とかかわっている
- 親との関係は良くないけど距離を置きながら付き合いをしている
他人や世間一般とは違っていても、自分なりにある程度いいと思うことができれば自分を受け入れやすくなります。
自分の基準ではなく他人や世間の基準で生きる人が増えてきています。 他人基準から抜け出して自分基準で生きていくにはどうすればいいのでしょうか?
自分の短所への捉え方を変える
自分の構成要素全体を100とした場合、短所が90以上占めているような状態で自分を受け入れるのは困難です。
「こんな自分はダメだ」「こんな自分は嫌だ」としか思えませんからね。
短所が占める割合が高すぎる人は、まず短所に対する捉え方を変え、比率を下げることから始めましょう。
長所と短所は表裏一体と言われる通り、以下のように短所だと思っているところから長所を探し出すことができます。
短所:不安を感じやすい → 長所:慎重で危険察知能力が高い
短所:気が弱い → 長所:優しい
短所:些細なことを気にしやすい → 長所:些細なことに気付くことができる
長所だけを見ようとするのではなく、短所も含めて両方あるという見方をするようにしてみてください。
思い込みが激しくなってしまう原理、影響力の強さ、改善方法についてお伝えしています。
できないことを否定しない
早起き、朝の散歩、適度な運動、睡眠の質向上、姿勢改善、バランスの良い食事、糖質制限、ダイエット、断捨離、デジタルデトックス、プラス思考、自己肯定、読書、資格取得、コミュニケーション、趣味を持つこと、日々感謝すること、目標や目的を持つこと…
自分を受け入れることを含め、世の中はやったほうが良いこと、やるべきことで溢れています。
しかし、頭ではわかっていながらもできず、以下のような状態になる人がほとんどです。
- 運動をしたほうが良いのはわかっているけどできていない
- コミュニケーションを取ったほうが良いと思うけど上手くできない
- 前向きに考えたいけどネガティブになってしまう
こうしたほうが良い、こうすべきと思っていてもできないのが人間ではないでしょうか。
自分を受け入れることに関しても同じです。
自分を受け入れることができないからダメではなく、「なかなか受け入れることができないよな」と考えるようにしてみてください。
自分への言葉がけを変える
例えば、「しんどいな」「疲れたな」と思ったとき、「もっと頑張らなきゃ」「弱音を吐いちゃダメだ」といった言葉を自分に掛けたとすれば気持ちを押し殺すことになります。
逆に、「それはしんどいよね」「これだけ頑張っているから疲れるよね」といった言葉がけができれば気持ちに寄り添うことができる。
自分に厳しい言葉をかけ続けていないでしょうか?
普段から自分に厳しく、否定的な言葉がけばかりしていては自分を受け入れることができません。
自分の気持ちに理解を示し、共感するような言葉を心の中で言うようにしてみてください。
世間一般や他人から批判されたり、おかしいと言われたりするようなことであっても、自分が思ったことに対しては「そうだよね」と受け止める習慣を持ちましょう。
良いか悪いか、正しいか間違っているかの判断をせず、また、解決策を考える必要もなく、ただ受け止めるだけで大丈夫です。
自分を家族や友人等、大切な人に見立てて言葉がけをするのがやりやすいと思います。
カウンセリングを受ける
自分を受け入れることができていない人ほど、他人に対して本当の自分を出すことができていません。
自分を出さないから受け入れてもらえるかわからない。もし、本当の自分を出したら嫌われてしまうのではないかと思う。
普段から自分を偽っていることが自分を受け入れられない原因になっているのです。
カウンセリングは自分の話をする場であるため、カウンセラーからのサポートを受けながら少しずつ自分が受け入れられない部分について話すようになります。
ただ話すだけではありますが、話してみても否定されなかったという経験は自分を受け入れることにつながるのです。
自分を受け入れようとしているけどなかなか上手くいかない、受け入れるということが感覚的によくわからないという方はカウンセリングを受けてみてください。