対人恐怖症とは?
対人恐怖症とは、周りから見た自分を過剰に意識してしまうがゆえに、人との接触を恐れて避けようとするあまり生活や人間関係に支障をきたす神経症です。対人不安、対人緊張、社会不安、人間恐怖と表現されることもあります。家族や親友といるときには症状が出ない、出ても軽度となる場合が多く、逆に、職場など中途半端に継続する関係や飲み会など複数人の集まりの中で強く症状が出る場合が多いです。
「対人恐怖症の人=人とまったく話すことができない人」というイメージを持たれがちですが、ほとんどの人が人と話すことはできる状態です。表面的にはうまく会話することができる人すらおられます。ただ、人と自然に緊張せず話したり、本当の自分を見せたりすることができず、人間関係をうまく構築できない状態なのです。
概念が幅広く、人見知り、過度の気遣い、対人緊張~統合失調症やうつ病と関連するものや、発達障害や人格障害と関連するものまであり、厳密な定義があるとは言えないものです。そのため、カウンセラーによって病気ではないと言われることもあります。また、うつ状態、うつ病、パニック障害などで悩む方の約80%は根本的な原因として対人恐怖症を抱えているケースがあると言われています。
日本固有の「恥の文化」から生まれた日本人特有の病気とも言われ、10人に1、2人がかかると言われています。
また、就職や一人暮らし、結婚、出産等による環境の変化によって症状が悪化することが多く、男女問わず20~30代に多くみられるのも特徴です。
対人恐怖症は以下の2つに分けられます。
緊張型対人恐怖症
自分の性格に問題があると感じ、劣等感等に苦しむ自己完結的な対人恐怖症。症状が社会不安障害とほぼ同じと言われている。
克服するために、性格を変えようと努力して、話し方教室、読書、自立訓練法、自己催眠、食事療法、宗教等に取り組む人が多いが克服できず、努力することに疲れ果ててひきこもりになってしまう場合もある。
緊張型として代表的なものは以下の通りです。
- 視線恐怖症
- 表情恐怖症
- あがり症
- 赤面症
- 電話恐怖症
- 会食恐怖症
- 会議恐怖症
- 雑談恐怖症
- 発汗恐怖症
- 排尿恐怖症
- 吃音恐怖症
確信型対人恐怖症
自分の身体の部位に問題があると感じ、周りの人に迷惑を掛けていて、嫌がられるのではないかと、罪悪感を感じる対人恐怖症。相手の仕草や言葉を自分の気にしている部分と結びつけて、どんどん症状を悪化させていく。重度対人恐怖症とも言われ、克服までには時間がかかる。
克服するために、身体の問題を解決しようと努力して、問題があると感じる部位に該当する病院へ通院するが、客観的な証拠が認められず、異常なしと診断されて医者への不信感を募らせて病院を渡り歩く場合もある。
また、過剰に意識し過ぎて、夜でもサングラスをかけたり、匂いの強い香水をふったりして、余計に注目を浴びてしまうこともある。
確信型として代表的なものは以下の通りです。
- 醜形恐怖症
- 自己臭恐怖症
- おなら恐怖症
克服するにあたって認知の修正が必要と言われ認知行動療法や森田療法が主流となり、最近ではTFTなどの新しい手法もクローズアップされています。薬についても症状を抑えるという面では効果があります。
対人恐怖症に悩んでいる時は、緊張や不安など人間が生理的に感じて当然のレベルであっても、これを異常だとか恥ずかしいと捉えて固執してしまうため、必死で排除しようとします。
そして、どんどん緊張や不安を強くしていく悪循環に陥って、「回避」を繰り返していきます。
※この「回避」の影響で、年を重ねても体験することが一般の人よりも極端に少なくなってしまうため、自然に治っていくことがなく、40代、50代になっても苦しみ続けることになるのです。
この思考回路を断ち切ることができれば人と接することができるようになり、その中で会話における自然な間合いの取り方を中心にコミュニケーションの取り方を学びながら、対人恐怖症は自然に改善されていきます。
つまり、対人恐怖症の根本には
- 事実に対して偏った捉え方をしてこだわってしまうクセ
- 自分に対する偏った評価
- 間違ったコミュニケーションの取り方
があり、この3つを改善することができれば、対人恐怖症を克服することができます。
私自身、10年以上対人恐怖症で苦しんだ過去があります。
学生時代、喉がカラカラでジュースを飲みたくて仕方なかったのに、周りの視線が恐くて自動販売機でジュースを買うことすらできなかったこともありました。
社会人になって営業職に就いてからも、同僚、上司、お客さん…誰とも話が弾まず、誰かと一緒にいるときはいつも何を話したらよいかばかり考えて緊張していました。
対人恐怖症と無縁で生きてこられている方にはなかなか理解しえない感覚だと思います。実際、このような過去の実体験を話しても「そんなことありえない。」と言われることもあります。
対人恐怖症は認知(考え方)の問題であって、性格の問題ではありません。
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