いつも職場でのいじめが原因で辞めてしまう、職場を転々として仕事が3年続いたことがないと言われる方からご相談いただくことがあります。
今まで何ヶ所か違う職場で働いていて、最初は大丈夫かと思うのに少しずつギクシャクし出して最終的にはいじめに遭う。
毎日いじめに遭う状態で仕事どころではなくなって辞めてしまうということを繰り返すのです。
なぜ自分だけがいじめにあってしまうのか。
一ヶ所だけなら職場の問題と片付けられますが、どの職場でもとなると自分に問題があると考えざるをえませんよね。
職場でいじめを誘発してしまう原因
いじめをする人間は最低です。
どんな理由があったとしてもいじめをする人間が悪いのは間違いありません。
ただ、いくつかの原因によって意図せずいじめられやすい態度や言動になってしまう人がいるのです。
いじめの対象になりやすいコミュニケーションの取り方をしている
普段から自己主張せず言いたいことがあっても言わない。
嫌なことを嫌と言わず、怒りを表に出すこともない。
ヘコヘコと下手に出ていつも相手に合わせてばかり。
こんなコミュニケーションを取っていると「こいつなら何を言っても大丈夫だ」となめられてしまいます。
そして、ストレスのはけ口としていじるような感じからどんどんエスカレートしていく。
嫌悪や怒りを態度に出さない人は攻撃性がない、つまり弱者として認識されるためにいじめの対象となりやすいのです。
人との関係を深めて本当の意味で仲良くなるためには、人に合わせてばかりのコミュニケーションをやめることが必要です。
プライドが高くて折れることができない
「長い物には巻かれろ」ではありませんが、職場においてはある程度権力者に折れないといけない場面が出てきます。
自分が納得いかないことでも、尊敬できない上司の意見であっても表面上は受け入れて対応しなければいけません。
しかし、プライドが高いがゆえに折れることができず自分の意見を貫き通せばどうなるでしょうか?
権力のある上司と衝突して間違いなく嫌がられます。
みんな空気を読んで折れているのにこいつだけは折れない。
「なんなんだこいつは!」と怒らせることになり、いじめにあう確率がグッと上がってしまうのです。
頑固でプライドが高い性格と対人恐怖症の関連性、そして自分を変えていくためにどうすればいいかをお伝えしています。
ネガティブな感情が漏れ出している
怒りなど負の感情を抑え込み、見ないようにしている人は優しそうに見えます。
しかし、自己開示をしないから周りにとって何を考えているかわからない人になる。
普段から我慢をし続けていることで我慢しないといけないところで我慢できず迷惑を掛けてしまうことも珍しくありません。
さらに、「自分がどう見られているか」「どう思われているか」にこだわるがために、行動や言動が自己中心的で空気が読めずに失礼なことや相手が嫌がることを平気でしてしまっているケースもよくあります。
こういった要素が相手を刺激して嫌悪感を抱かせ、最終的に自分をいじめてくる状態にしてしまうわけです。
人が怖い、人と話すのが怖い。対人恐怖症の実態と克服方法をまとめました。
職場でいじめられないために
まずは自分の中にある問題に気付くことから
いじめてくる相手が悪いのは当然ですが、自分にもいじめを誘発してしまう原因がある。
その原因が何なのかを自分自身としっかり向き合って探していきます。
- ネガティブな感情を抑え込みすぎていないか
- 相手になめられやすいコミュニケーションになっていないか
- 納得いかないことにも上手く折り合いをつけて対応できているか
人間は自分の嫌なところから目を背けようとする性質があるので、簡単ではありませんが少しずつ振り返ってみてください。
- 最初の職場ではどうだったか?
- 今の職場ではどうなのか?
- 学生時代はどうだったのか?
期間ごとに振り返ってみるのもいいと思います。
自分でやってみたけどよくわからない、どうしても向き合いきれないという場合はカウンセリングでサポートします。
問題を解決していじめられない自分になる
何が問題かによって対応が異なりますので一例を挙げます。
例えば、ネガティブな感情を抑圧しすぎていることが問題だと気付いたとしましょう。
いきなり相手に言うのは無理なので、まずは書き出すなりして少しずつネガティブな感情を出す習慣をつけていきます。
次は聞いてくれそうな人に愚痴を言えるようにしていく。
最終的には直接相手に嫌なことは嫌と言わないといけない場面で言えるようにする。
最初は感情がコントロールしきれないのでトゲのある言い方になりがちですが、繰り返していく中で上手くコントロールしてトゲのない言い方ができるようになっていきます。
相手の反応を見ながら自分自身を振り返っていくことで客観性が身に付いてくるので、負の感情を上手く表現できるようになると同時に自己中な考え方から脱却していく。
そうなると、素直に相手の価値観を理解しようとしたり、適度に本音や負の感情を出したり、相手の立場になって気遣いができるようになります。
最終的に周りからいじめられることがなくなり、円満なコミュニケーションで良好な人間関係を築けるようになるのです。